「セブンズ」という言葉を聞いたことはあっても、普段のラグビー(15人制)と何が違うのかは意外と知られていない。オリンピックの正式種目でもあり、短時間でスピーディーに決着する7人制ラグビーは、ラグビー観戦の入り口としても非常におすすめだ。この記事では、セブンズの基本ルールと15人制との違い、そして楽しみ方を分かりやすく解説する。
セブンズ(7人制ラグビー)とは
セブンズは、1チーム7人でプレーするラグビーである。使うピッチの大きさは15人制とまったく同じ(縦100m×横70m)だが、そこを7人ずつ、合わせて14人で走り回る。人数が少ないぶん一人あたりのスペースが広く、快足の選手が大きく開いた空間を駆け抜けてトライを量産する、スピード感あふれる競技だ。2016年のリオデジャネイロ大会からオリンピックの正式種目となり、世界的に注目を集めている。
15人制との一番の違いは「人数」と「時間」
セブンズと15人制の最大の違いは、人数(7人 vs 15人)と試合時間にある。
- 人数:セブンズは7人、15人制は15人。
- 試合時間:セブンズは前後半各7分の計14分(決勝のみ各10分の計20分の大会もある)。15人制は前後半各40分の計80分。
- スクラム:セブンズは3人 vs 3人で組む(15人制は8人 vs 8人)。
- 大会形式:セブンズは1日〜2日で複数試合を戦うトーナメント方式が主流。1チームが1日に何試合もこなす。
14分で決着するため、テレビや会場で「気づいたら試合が終わっていた」と感じるほどテンポが速い。1日でたくさんの試合を観られるのも、セブンズならではの魅力だ。
基本ルールは15人制とほぼ同じ
人数と時間は違っても、ボールを前に投げてはいけない(スローフォワード)、トライは相手陣のインゴールにボールを置く、といった基本ルールは15人制と共通だ。得点方法も同じで、トライ5点、コンバージョン2点、ペナルティゴール・ドロップゴール3点となっている。
ただし、細かな運用にはセブンズ独自の特徴がある。
- コンバージョンキック:セブンズはドロップキック(地面にワンバウンドさせて蹴る)で、しかも時間短縮のため素早く蹴る。15人制のようにじっくり構えるプレースキックは使わない。
- キックオフ:トライを決めた側が相手にキックオフを蹴る(15人制は得点された側が再開キックを蹴る)。攻め続けたチームがさらにボールを持てるため、点差が一気に開くこともある。
- シンビン:反則による一時退場は、セブンズでは2分間(15人制は10分間)。14分の試合における2分は非常に重く、一人減の影響が大きい。
セブンズならではの見どころ
人数が少なくスペースが広いセブンズは、個人の身体能力がダイレクトに勝敗を左右する。ここがセブンズ観戦の醍醐味だ。
- 独走トライ:一度ディフェンスを抜くと、そのまま誰にも捕まらず約100mを走り切る場面が頻繁に起きる。快足選手のスピードを存分に楽しめる。
- 1対1の攻防:広いスペースでの一対一が多く、抜くステップ、止めるタックルの駆け引きがはっきり見える。
- 体力勝負:短時間かつ1日複数試合のため、後半や終盤は消耗した中での我慢比べになる。運動量の多さは驚くほどだ。
- 番狂わせ:14分の一発勝負はミス一つで流れが変わる。格上相手に堂々と渡り合う場面も少なくない。
日本の主なセブンズ大会
日本国内でも、セブンズは各地で盛んに行われている。とくに女子では「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」が国内トップの舞台として定着し、全国を転戦しながらシーズン王者を争う。男子でも大学・クラブを中心に大会が開かれ、7人制日本代表はオリンピックやワールドラグビー・セブンズシリーズといった国際舞台に挑んでいる。15人制のシーズンオフ期間に楽しめる競技としても、セブンズは貴重な存在だ。
まずは1試合、観てみよう
セブンズは、14分という短さゆえに初心者でも最後まで集中して観られ、それでいてトライ・独走・タックルといったラグビーの醍醐味がぎゅっと詰まっている。ルールも15人制とほぼ同じなので、「まずラグビーがどんな競技か知りたい」という人の入り口にも最適だ。ScramHubでは女子セブンズを中心に大会の結果や組み合わせも追いかけているので、気になった大会からのぞいてみてほしい。スピードとスペースの競演を、ぜひ一度体感してみよう。
ScramHub編集部
日本ラグビーを追いかけるファンサイト「ScramHub」の編集チーム。リーグワン・大学・高校・代表の試合を現地とデータの両面から追い、初めての人にも分かる解説を心がけています。
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