ScramHub
ScramHubリーグワン2026-06-12

【コラム】コベルコ神戸、悲願の初戴冠 ―― リーグワン2025-26を「キックと堅守」で読み解く

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26が幕を閉じた。ディビジョン1を制したのは、コベルコ神戸スティーラーズ。リーグワンでは優勝に手が届かずにいた伝統校が、ついに初の頂点に立った。 6月7日、国立競技場での決勝。相手はクボタスピアーズ船橋・東京ベイだった。前半は一進一退の攻防で13-13。試合を分けたのは後半の神戸の試合運びである。司令塔・李承信が立て続けにペナルティゴールを沈め、22-13。神戸が決勝で挙げた22点の大半は、この李承信の足によるものだった。派手なトライ合戦ではなく、規律を保ち、相手の反則を確実に3点へ換える――そんな「我慢の勝ち方」が、今季の神戸を象徴していた。 神戸の強さの核は、突き詰めれば「キックと堅守」に集約される。李承信の正確なゴールキックは、競り合いを常に神戸有利の数字へと変えた。前線では、ディビジョン1のMVPに輝いたブロディ・レタリックが体を張り続けた。接戦を落とさないゲームマネジメントと、終盤に相手を無得点へ封じる集中力。プレーオフを通じて、神戸は派手さよりも勝負強さで勝ち上がった。 個人表彰でも神戸が存在感を放った。MVPのレタリックに加え、新人賞には上ノ坊駿介が選出。さらにベテラン山下裕史が前人未踏の通算200試合出場を達成し、長いキャリアの価値を示した。 下部ディビジョンに目を向ければ、D2は豊田自動織機シャトルズ愛知、D3はマツダスカイアクティブズ広島が、いずれも2季連続で頂点に立った。安定した強さを誇る両クラブの戦いも、来季の昇格レースを面白くする。 そして2026-27へ。NECからJR東日本へ譲渡され「JR東日本グリーンウォリアーズ東葛」として再出発するクラブもあり、勢力図は静かに動き始めている。王者・神戸が連覇に挑むのか、雪辱を期すクボタや埼玉が立ちはだかるのか。初戴冠で一つの扉を開けた神戸を軸に、新シーズンへの期待は早くも高まっている。