数字で振り返るリーグワン2025-26 ― 王者・神戸と追う2強、勝ち方はこんなに違った
リーグワン2025-26のDivision1は、コベルコ神戸スティーラーズの優勝で幕を閉じた。だが、レギュラーシーズンの成績を数字で並べてみると、上位を争った3チームが、まったく異なる「勝ち方」でその座をつかんでいたことが見えてくる。順位表の勝点だけでは分からない各チームの個性を、ScramHubの独自集計で読み解いてみたい。
上位3強と、その下との「壁」
まず目を引くのは、上位3チームと4位以下の間にある明確な差だ。レギュラーシーズンの勝点は、1位コベルコ神戸が75、2位埼玉ワイルドナイツが74、3位クボタスピアーズ船橋・東京ベイが70。ここまでが70点台で並ぶ。ところが4位・東京サンゴリアスは48点で、3位との差は20点以上開いている。
つまり2025-26のD1は、「優勝を争う3強」と「それを追うグループ」に、数字の上でもはっきりと分かれていた。神戸・埼玉・クボタの3チームがいかに抜けた存在だったかが、勝点の分布からも読み取れる。
王者・神戸は「攻撃で押し切る」チームだった
優勝した神戸の強みは、なんといっても攻撃力にある。
- 1試合平均得点:41.7点(リーグ最多)
- シーズン通算トライ:112本(リーグ最多)
どちらもD1でリーグ最多の数字だ。1試合で40点を超えるペースで得点を重ね、トライ数もリーグ最多の112本を記録した(2位はクボタの102本)。相手を上回るスコアで押し切る——それが王者・神戸のスタイルだった。一方で1試合平均失点は25.3点で、これは埼玉やクボタに次ぐリーグ3番目の堅さ。ずば抜けた守備というより、「攻めて振り切る」タイプの王者だったといえる。
1点差の2位・埼玉は「守備と規律」で対抗
対照的だったのが、わずか1点差の2位に食い込んだ埼玉だ。埼玉の武器は攻撃ではなく、守備と規律にある。
- 1試合平均失点:18.7点(リーグ最少)
- 1試合あたり反則数:9.2(リーグでも有数の少なさ)
失点の少なさはリーグ随一。反則の少なさもリーグ有数で、相手にペナルティのチャンスを与えにくい我慢強さがうかがえる。神戸が「攻撃」で75点を積んだのに対し、埼玉は「堅い守備」を軸に74点まで迫った。まさに正反対のアプローチで、優勝争いの最後まで競り合ったことになる。
3位・クボタは「ボーナスポイント」で存在感
3位のクボタも見どころが多い。特徴的なのは、ボーナスポイントの多さだ。
- ボーナスポイント:14(リーグ最多)
勝敗そのもので得た勝点に加え、「4トライ以上」や「7点差以内の敗戦」で得るボーナスをリーグで最も多く積んでいた。攻撃力(平均39.4点)と守備(平均失点19.8点)を高い次元で両立させたバランス型だ。ただしボーナスポイント最多という数字は、僅差で敗れた試合でも勝点を拾えた反面、その一部は「勝ち切れなかった試合」の裏返しでもある。実際にクボタは、この点で上位2チームに一歩譲ることになる(詳しくは別稿で触れる)。
数字が語る「三者三様の強さ」
改めて3チームを並べると、その個性の違いがくっきりする。
- 神戸:攻撃力(最多得点・最多トライ)で押し切る王者
- 埼玉:堅い守備(最少失点)と少ない反則で対抗した2位
- クボタ:ボーナスポイント最多のバランス型3位
同じ「強豪」でも、勝ち方はこれほど違う。優勝したのは攻撃型の神戸だったが、守備型の埼玉が1点差まで迫った事実は、ラグビーに「唯一の正解」がないことを物語っている。順位表の順番だけを見ていては気づけない、こうしたチームの色を知っておくと、来季の戦いもいっそう面白く観られるはずだ。各チームの指標はリーグワン スタッツ分析でも一覧できるので、あわせて数字の視点から追いかけてみてほしい。
楕人(ScramHub編集部)
1980年代から日本ラグビーを追いかけて約40年。学生・社会人(オンワード オークス)から現在のキヤノンイーグルスまで、現地とテレビの両方で観戦を続けてきた一人のファン。カテゴリごとにバラバラだった日本ラグビーの情報を一か所に集めたいという思いで ScramHub を運営し、初めての人にも分かる観戦ガイドを書いています。
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